月光の下で聞く声


青く雲の白色が良くはえ手を延ばせば掴めそうなぐらい
近い空が高くなり青から水色に変わり
夏のキツイ日差しが柔らかくなり季節が変わり
夏から秋へと変わり始める9月のある日

「月の絵葉書だぁ・・」

夜空の背景に満月が映し出されている葉書を手に持ち
見つめていると何故だか元の位置に返す事が出切ず
レジまで持って行き他のモノと共に精算をすませ自宅に帰ると
すぐさま2階にある自室に戻り買ったばかりの絵葉書を
買い物袋から取り出し見ているとふいに壁にかかっている
カレンダーが目に入ってきた。

「そっかぁ、9月には十五夜があるんだぁ」

店の先々に並べられた月のデザインされたモノに不思議に
思いながら手に取り見ていたは疑問に浮かんだ事が解決し
納得したように呟くと手に持っていた絵葉書を机の上に置き
近くに合ったペンで言葉を書き始めた。

写真の部分に言葉を書き終えるとひっくり返し
真っ白な紙の上に言葉を書き続けて行く。

暫くし、白色に黒の色が混ざった葉書を手に持ち
家を出てポストに投函し再び家に戻り自室に入って行った。

「手紙じゃ無いから驚くだろうなぁ」

受け取った人物の驚く顔を想像していると楽しくなり
顔の筋肉が緩み笑っている事に気付き慌てて頬を叩き
緩みを直すが中々直らず夕食の時に両親に聞かれ
葉書の事を言うと微笑みながら頷き話を聞いてくれた。

2,3日したら差出人の所に葉書がつき
ソノ日になれば電話が掛かってくる事を願いながら
窓から月を見上げていると
隣りの部屋に明りが灯りカーテンを引こうとした
隣人がに気付き窓を開け声をかけてきた。

「そげん所でなんばしょっとね?」

「月を見ているんです。カズ先輩もご一緒にどうですか」

の言葉を聞き白く光る月を見上げ

「見とって楽しいんか?」

溜息交じりの言葉に対し

「楽しいですよ。東京じゃ電気の明りで月明りで影が
 出来るほどの明りはなかったですし、こうして見てみると
 月て綺麗じゃないですか」

嬉しそうに帰ってくる言葉と表情を見ると
カズは再び月を見上げ

「もうすぐ十五夜やけん、菓子の準備をせんとなぁ・・・・・」

思い出された様に小さな声で呟かれた言葉に
疑問の言葉が返される

「十五夜だとお菓子が必要なんですか?」

「そうや。コッチの風習や」

月明りの元、夜遅くまで話をし
お互い寝る前の挨拶をすると窓を閉め
ソノ日が来るのを心待ちには布団に入り
夢に入って行った。



その数日後
手紙を受け取った人物は始めてのハガキを手に
嬉しそうに微笑み書かれている文章を黙読してくが
毎回書かれている事が無く見落としたのかもしれないと
何回も読み直すが何処にも書かれておらず
考え込んでいると朝練の時間が近づき
届いたハガキをズボンのパケットに入れ
慌てて家を出るのだった。

朝練を終え、仲の良いもの同士話ながら自分の教室に
向うのだがどこか練習に集中しきれていなかった将の
様子が気になり昼休みになると数名の男子生徒と1名の女子生徒に
連れられ将は屋上に誘われた。

「で、練習に集中出来んかった原因はなんや?」

関西なまりの言葉をきっかけに次々に言葉が掛けられる。

「何か悩み事があるのか?」

「独りで考えるより皆に聞いてもらってスッキリしたらどう?
 そんな調子で練習してるとケガするわよ」

「水野君、小島さん・・・悩みといより考え事をしていたもので・・・」

苦笑しながら出されたハガキを正面に座っていた小島に手渡し
見せると

「別に考える様な事が書いてあるとは思えないんだけど」

書かれていた文を読み思った事を声に出すと
ハガキを水野に渡した。

「確かに。遠足と修学旅行の事が書いてあるだけだな」

小島同様思った事を声にした水野ものハガキを隣りにいる
人物に手渡した。

「なんや、ポチはの事が心配なんか?」

2人とは違う質問に首を左右に振り

「違うんですシゲさん。いつもだったら電話をする時間が書いて
 あるはずなんですが今回はその事が書かれてなくて・・・・」

困惑した声にハガキを読んだ3人は再びハガキに視線を落し
黙読すると将に指摘された日にちと時間を表す数字は
一切書かれておらず各々の考えを出し

ちゃんの事だ書き忘れたんじゃないか?」

「確かに。やったらありえる話やなぁ」

「もしかすると明日にでも手紙がくるものかもしれないわよ」

困っている将に言葉を返すと

「写真の処に書かれているモノはに筆跡だぞ」

長方形方のクッキーを食べていた為会話に加わっていなかった
少年がハガキを指さしながら会話に参戦すると
一斉に写真側を見てみると
夜空を照らす月の所に白ペンで文字が書かれていた。

『月見上げ 遠くいる君 思うにも
  音を待ちいて 時を待つ』

「俳句ですよね・・・・・」

「確かに俳句だが・・・・・」

「めちゃくちゃな俳句だわ」

「ま、やしなぁ〜」

「いつも書かれている事が無いと言う事は
 ソレを解読して電話をして来い
 とう事ではないのか」

いきなりの言葉に驚きながら

「解読て・・・・・不破君この俳句の意味解るの?」

「『月見上げ』すなわちコレは夜を表すのだろうな」

将の言葉に頷きながら、文を指摘して解読をして行く
と話を聞いていた小島が話に加わり

「『遠くいる君 思うにも』は東京にいる風祭の事よね」

「と、なると『音を待ちいて 時を待つ』は電話が鳴るのを
 待っている、か」

不破と小島の言葉で考えがまとまった水野も
解読に参戦した。

「ほな、日にちはいつや?何処にも書かれてへんが・・・」

まとまりかけた答えに再び疑問の指摘が入り
全員で考え始めるが

「9月いえば中秋の名月だ。よって
 十五夜の夜に電話をして来いと言う事だろう」

いとも簡単に答えを出してしまった不破の顔を見た後
書いた俳句をもう一度読み返してみると
一番最初に月が書かれている。
ハガキの写真も白く輝く月の写真だ。

9月には一番美しく月が見える日がある。
その月を見上げながらは将からの電話を待つ
そう、言う意味を込められての俳句なのであろう

「十五夜の夜に電話をすればいいんだ」

小さく作られた言葉に納得し忘れないように
頭の中に覚えると
その日が来るのを待つ事にした。


晴れて綺麗に輝く星の中に淡いながらも白く輝く
月が照らし出す頃、電話の着信を知らせる音が
家中に響いた。

「こんばんわ!将
 電話ありがとう!!」

「でも、俳句の意味が解ってくれてよかったぁ〜
 解らなかったらどうしょうかと思っていたんだよ。
 水野君が解読してくれたの?」

笑顔で電話ごしに話しいていると

「え?不破君がが解いたの!?」

の予想は外れガッカリと驚きが入った
不思議な感情が含まれた声で話していると
玄関から複数の子供達の声が聞こえ

「あ、将少し待ってて!」

子機を片手に持ち用意してあった袋が入った籠を
持ち玄関を開けると

「「「こんばんわ!お月見下さい!!」」」

小学生の男女が声を揃え手を差し出してきた。

「はい、どうぞ」

籠の中に入っていた袋を一人一人に手渡すと
子供達は一斉にに礼を言って他の家に行ってしまった。

「ごめんね。えっと、カズ先輩が言うには
 月見泥棒と言って小学生の子達が夜になると
 備えてある月見団子やお菓子を盗みにくる行事が
 あるんだって。日本風ハロウィンみたいだよね」

「外じゃないよ、玄関にいるの。
 心配しないでちゃんと上着を着てるから大丈夫だよ」

心配してくる将に言葉を返し話を続けていると
再び子供達がお菓子を貰いにチャイムを押し
何度か中断されたもののお互い話たい事が
話せ満足して電話を切った。

月を見上げとは行かなかったものの
玄関の隙間から見え隠れする月を見ながら
電話をしていたは計画が上手くいった嬉しさに
満足し次に来る将に手紙を心待ちにしながら
夢の扉をノックした。